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集客力が絶大に高まる名物メニューの作り方

こんにちは!行政書士松森です。

今回は飲食店の成功には欠かせない「集客力が絶大に高まる名物メニューの作り方」について解説します。

私はさまざまなお店の現場を見ていて繁盛店にはある共通点があることに気づきました。

それは、繁盛店には店の名前を聞いたらすぐに思い付く「売れる名物メニュー」が存在していることです。「○○ならあのお店」「あのお店は○○が絶品!」「あのお店の○○が食べたい」などというようにお店の名前とともに名物メニューが存在します。

逆に言うなら、自分のお店を繁盛店にさせたいなら「売れる名物メニュー」を作れ!とういことになります。

そこで今回は繁盛店には欠かせない「集客力が絶大に高まる名物メニューの作り方」について解説します。

そもそも、なぜ名物メニューが必要か?

そもそもなぜ名物メニューが必要なのでしょうか?お店に名物メニューを作ることにより、次の3つのメリットを得ることができます。

①お客さんにお店を知ってもらいやすくなる

②お店を知ってもらうことで次回来店につながりやすくなる

③口コミが発生して集客力が高まる

以上、3つのメリットを得ることができます。言い換えればこの3つのメリットが備わっているのが繁盛店です。どういことか?各メリットについて見ていきます。

①お客さんに店を知ってもらいやすくなる

お客さんは何かお店に食べに行こうと考えたとき、「××食べるならあのお店の○○メニュー」と考えます。

例えば「ラーメン食べるならあのお店の激辛みそラーメン」、「焼肉食べるならあのお店の1枚厚切り100gタン」・・・などどいうふにです。

この例でいう「激辛みそラーメン」、「1枚厚切り100gタン」がいわゆる名物メニューになるわけです。

この名物メニューがあると、お店の売りや特徴、コンセプト、店主のこだわりや想いが名物メニューを通して、お客さんに伝わることになるので自然とお店を知ってもらいやすくなります。

逆に、名物メニューがない場合は、店の売りや特徴、コンセプト、店主のこだわりや想いがあったとしてもそれを伝えるメニューがないので、結果お客さんにお店を知ってもらいずらくなります。

開業した直後はなるべく早く自店の存在を知ってもらうことが大事です。そもそも存在を知ってもらわなければお店があって無いようなものです。日本政策金融公庫のアンケートによると、開業後軌道に乗るまでに半年はかかるという結果があります。

しかし、お店の存在を知ってもらえなければもっと長期間不安定な営業がつ続き、最悪資金ショートによって廃業することもあります。

こうならないためにも名物メニューを作り、自店の存在をできるかぎり早く知ってもらい不安定な期間をできる限り短くして廃業リスクを少しでも下げる必要があります。

②次回来店につながりやすくなる

名物メニューを通してお店の存在を知ったお客様は一度来店すると次回の来店につながりやすくなります。

例えば、お客様が「今日は何食べようかな?」「どの店にしようかな?」と悩んだ時、いくつかの候補となるお店を思い浮かべます。その候補の中から「久しぶりに××食べるならあのお店の○○メニューを食べよう!」と店を決定します。

つまり、一度来店するとお客様の候補の中にあなたのお店が入る可能性がぐっと高くなるのです。その結果、次回来店につながりやすくなります。

③口コミが発生して集客力が高まる

名物メニューによるメリットの中でも特に大きなメリットは口コミよる集客力が高まる点です。

例えば、もし、あなたが信頼する知人から「あそこの○○は絶品で一度は食べてみた方がいいよ。」と勧められたら、迷わず行くのではないでしょうか?

そして、実際食べたあなたが本当に美味しく感動したなら、「誰かに教えよう」「あの人にも食べてもらいたい」と思うのではないでしょうか?

この流れ(口コミ)ができると「お客様がお客様を連れてくる」という仕組みが生まれることになります。

昨今はインターネットによるモバイル化が進み、誰でも簡単にお店の情報を得ることができるようになっています。このお店の情報には、広告などのお店側から発信する情報と実際にお店に食べに行ったお客様の情報(評価や口コミ)の2つがあります。

では、お客様はどちらの情報を信頼するかというと後者の実際にお店に食べに行ったお客様の生の情報を信頼する傾向があります。

ですから、広告より、実際にお店に食べに行ったお客様の評価や口コミが集客力を左右するということを肝に銘じておくことです。

名物メニューはお客様からお客様へ口コミで広がり根付いてはじめて本物の名物メニューになっていくものです。ですから、どんなメニューが「売れる名物メニュー」となるのか?「売れる名物メニュー」の特徴は何か?を知る必要があります。

売れる名物メニュー5つの特徴

それでは、お客様に評価される「売れる名物メニュー」の特徴をみていきます。

私がさまざまなお店で観察した「売れる名物メニュー」には以下の特徴があります。

1.お客様のニーズを満たしてくれる

2.差別化されている

3.適正価格

4.わかりやすい

5.美味しい

特徴1.お客様のニーズを満たしてくれる

いくら、美味しい料理、適正価格のメニューを作ってもお客様(ターゲット)のニーズを満たしてくれるメニューでなければ売れるメニューにはなりません。

ですから、売れるメニューを作るにはターゲットのニーズを知る必要がありますよね?それではターゲットニーズを知るにはどうすればいいでしょう?ターゲットニーズを知るには次の点に注目してください。

ターゲット(誰が?)と利用動機(いつ、どんなシーンで、なぜ利用するのか?)の2つです。これを明確にするとニーズがわかりやすくなります。

ターゲットによるニーズの違いでわかりやすい例が、男性と女性です。この2者はニーズが違ってくるのは容易に想像できます。

男性は、どちらかというと、馴染みのあるオーソドックスな料理を好む傾向があります。ターゲットを男性40代サラリーマンとした居酒屋であれば、メニューは、煮込み、枝豆、から揚げ、刺身盛り合わせなど今まで繰り返し食べてきた定番メニューが必要でしょう。また、ボリュームもある程度必要になってくるでしょう。

もし、女性好みの、しゃれた料理を少量ずつラインナップしたら売上は下がってしまいます。

このように、ターゲットのニーズを知って、それを満たすメニューを作らなければ売れるメニューにはなりません。

また、ターゲットと同じくらい大事なのが利用動機です。同じターゲットでも利用動機によってニーズが変わってくるからです。

例えば、利用動機が日常的か非日常かでニーズは変わります。

喫茶店などは日常的に使われるお店の代表例です。朝、サラリーマンが出勤前に新聞を見ながらトーストと目玉焼き、ソーセージなどのシンプルな朝食をとる光景はよく見るのではないでしょうか?

もしも、このお店が、食べるのに時間のかかる高額の凝ったメニューを置いても意味がありません。

お店が日常的に利用されるお店であれば、低価格で慣れ浸しんだオーソドックスなシンプルメニューで、誰もが間違いなく美味しく食べられる無難な味付けのメニューにしたほうがよいです。

逆に、非日常的に利用されるお店の代表例が高級店です。日常生活の中にも彼女とのデートや子供の誕生日など年に数回しかない記念日的な日があります。そういったシーンで利用するお店であれば、普段食べられない特別な料理を食べたいと思うものです。

こういったシーンで利用されるお店では、日常、誰でも食べているスタンダードなメニューをラインナップしてたら評価は低く、口コミもおきないでしょう。

このように、ターゲット(誰が?)、利用動機(いつ、どんなシーンで、なぜ利用するのか?)によってニーズは変わってきます。あなたのお店のターゲット、利用動機はどのようなものですか?この2つを明確にしてお客様ニーズを満たす名物メニューを作ってください。

特徴2.差別化されている

ターゲット、利用動機を明確にしてお客様ニーズを満たすメニューを作ったとしても、ライバル店と同じようなメニューではお客様に選んでもらうこはできません。ライバル店よりも違う特徴が必要です。

かといって、差別化するのにライバル店と全く違うメニューを必ず作る必要があるかというとそうではありません。定番メニューでも「ちょっと他の店とは違うよね」と感じてもらえればそれでも十分差別化されています。

ターゲット、利用動機を明確にしてお客様ニーズを満たすメニューを考え、さらにそのメニューに差別性を加えるときに大事な視点は3つです。

1.定番メニューの中で差別化する

2.自分の強みを明確にする

3.ライバル店の名物メニューの強み、弱みを明確にする

この3つの視点をもつことです。

なぜこの3つの視点が重要かというと、客観的な視点で確実性のある差別化されたメニューが作れるからです。よく失敗する差別化とは、ただ単に、自分がお客様に食べて欲しいメニューや奇抜なアイディアで作るメニューです。

奇抜なアイディアや思い付きで作るメニューは確かに作った当事者には他店にはない斬新なメニューに思えるかもしれません。しかし、お客様ニーズを欠いて、主観的に作ったメニューは「変わった料理だね」で終わる可能性が高いです。

こうならない為にも、客観的な視点で差別化する必要があるのです。差別化されたメニューだと声高に叫んでも、お客様ニーズを満たさない売れないメニューでは、真の差別化されたメニューとは言えないのです。

【1.定番メニューの中で差別化する】

飲食業にはさまざまな業種がありますが、その業種ごとに定番メニューというものが存在するものです。ラーメンなら、豚骨、醤油、塩、味噌などがそれにあたります。それでは、なぜ定番メニューが存在するかというと、単純に

「お客様ニーズが多い」からです。

考え方としてはニーズの大きいところで差別化するということです。そもそもお客様ニーズのないところでいくら差別化できても売れるメニューにはなりません。

【2.自分の強みを明確にする】

ビジネスにおいて自分の強みを最大限活かすことはとても重要です。経営学者のP.F.ドラッカーの言葉です。

強みとは「他人には難しいが自分には簡単にやれること」

と言っています。この強みをメニューに取り込むことができれば自然と付加価値が付き、ライバルとの差別化に繋がっていきます。

強みの例

「特定漁師との仕入れルートがある」「高度な包丁技術がある」「調理工法の知識に長けている」「一つの業種について長年の経験と専門性がある」「実家が酒蔵で日本酒を作ている」・・・

「他人にはできないが自分ならできそうなこと」をできる限り探してみてください。

【3.ライバル店の名物メニューの強み、弱みを明確にする】

そもそもなぜライバル店のメニューの強み、弱みを明確にするのでしょうか?理由はこうです。

ライバルのメニューの強味を明確にする理由→ライバルの強味と違う部分で差別化するため。

ライバルのメニューの弱みを明確にする理由→ライバルが弱みとしている部分で自分の強味を活かすことができれば差別化につなげることができるから。

強み、弱みを見つけるポイントですがライバルの名物メニューを以下のポイントを参考に観察するとよいです。

1.ターゲット

2.素材

3.調理技術の難易度

4.調理方法

5.馴染みのある味付け

ライバル店に足を運び実際に名物メニューを食べてみてください。飲食業は食を扱う業態であり、食べてみないことには何も始まりません。

例えば、あなたが焼肉店を考えているなら、ライバル店の名物メニューを注文して食べてみます。その時、メインターゲットは誰?肉の素材は輸入か国産か?肉のカット技術はどうか?どのような調理方法で味付けしているのか?味つけは薄い、濃い、馴染みがある、ない?など推察しながら食べてみます。そうすることで、ライバル店の強み、弱みが見えてきます。

特徴3.適正価格

ここまでの流れで、お客様ニーズを満たして、差別化された名物メニューができあがったとしても価格が適正でなければ満足感が下がるばかりか食べてもらえない場合もありえます。

「確かに美味しかったけどちょっと高いな・・・」

「美味しそうだけど、ちょっと手を出せそうにない」

これでは、名物メニューを作った意味も薄れてしまいますし、なにより次回の来店は期待できないですよね。

名物メニューの価格を設定するときに意識してほしいのが値ごろ感です。業種業態によって変わりますが、お客様はラーメンなら1杯○○円、街中のカフェのコーヒー○○円大衆焼き鳥なら○○円などのようにある程度お店に期待する相場を持っています。その相場からあまりにもかけ離れてしまうと注文しづらい、注文しないということが起きてきます。

あなたのターゲット、来店動機によってお客様の期待する相場は違ってきます。

今はインターネットでぐるなびやホームページを見れば、あなたの業種業態のお店がどれくらいの相場を設定しているのかを簡単に知ることができます。

まずは、自分のお店の相場を知っておくことです。

特徴4.わかりやすい

せっかく魅力的な名物メニューを作っても、その存在を知ってもらわなければ意味がありません。

お客様に名物メニューの存在をしってもらうには目で確認してもらうことが一番です。必ず写真入りにして、一目でわかるようにします。また、メニュー名も複雑すぎるとイメージしづらくなるので、メニュー名を聞いたらどんな味か想像できるメニュー名にしましょう。

先ほども言いましたが、昨今は口コミサイトやSNSによる評価が集客に大きな影響を及ぼす時代です。特に、SNSによる拡散はスピードという点で群を抜いています。

口コミは「あのお店の○○は美味しい」のように「店の名前」と「看板メニュー」が伝わっていきます。この時、もし、分かりずらく、伝わりにくいメニューだと拡散しづらくなり結果口コミによる集客力が弱くなってしまいます。

名物メニューは、味、品質もとことん追求することは当然ですが、わかりやすく、伝わりやすくすることで口コミが拡散し、集客力を高かめることができるようになります。

特徴5.美味しい

名物メニューは定期的に見直しをして美味しさに磨きをかけていくことが大切です。しかし、美味しさに磨きをかけるには、どの点に注目していけばよいのでしょう?それを知るには、そもそもお客様はなぜ美味しいと感じるのか?を知る必要がありそうです。

お客様が「美味しい」と感じるとき、無意識的に次の2つの美味しさを感じています。

1.物質的な美味しさ

2.情報的な美味しさ

【物質的な美味しさ】

物質的な美味しさとは実際に食べて美味しいと感じることです。お客様が物質的な美味しさを判断する基準としては、「食べ慣れた味」「よりよい食材」「プロフェッショナル感」があげられます。

■食べ慣れた味

味が想像できないものにはなかなか手を出しづらいものです。また、味が想像できないので「美味しそう」とも思わないでしょう。こういったメニューは「いっちょ試してみるか?」と博打的で小さいながら決断が必要になってきます。手の出しづらいメニューでは名物メニューにはならないといえいます。

名物メニューは食べ慣れた味、つまり定番メニューから発想するとよいでしょう。定番メニューに工夫を入れていく。「この店のメニューは慣れ親しんだ味だけどちょっと他店とは違う」と感じてもらえることがポイントです。

■よりよい食材

「慣れ親しんだ味だけどちょっと違う」と感じてもらう工夫として「より良い食材」を使用する工夫があります。例えば「新鮮な漁師からの直接仕入れ」「○○産黒毛和牛」「無農薬野菜」など素材そのものが持っている魅力や希少性を上げる工夫です。

■プロフェッショナル感

プロフェッショナル感とは家庭ではできない技術・技法や味付け、秘伝のレシピなどのことです。お客様がお店に求めていることは家庭では味わえないお店だからこそ食べれるメニューです。

「熟練された魚の目利きと繊細な捌き」、「創業以来スープを継ぎ足した呼び戻し技法で作る豚骨濃厚スープ」「門外不出の秘伝ソースで食べる溶岩焼き片面ステーキ」

せっかくお店にいくのだから、普段とは違う美味しいものが食べたい!そういったニーズを満たしてくれるメニューこそ名物メニューの特徴です。

【情報的な美味しさ】

あなたがどこかのお店で「店主の料理に込めた想い」「こだわりの技法」「素材の良さ」をメニュー説明などで知って、「やっぱりここまでこだわっている料理は他にない!」「新鮮さが違う!」など美味しさがさらに増した経験をしたことが一つや二つはあるのではないでしょうか?

実際には同じもの食べているのに、商品説明などの情報を付けくわえることで、特別な料理を食べている感覚になり、さらに一段と美味しさが増します。この「増えた美味しさ」が情報的な美味しさです。

あなたの想い、料理に対するこだわり、技法などがあるのであれば積極的にアピールしていきましょう。料理を食べたお客様はあなたの「想い」や「こだわり」に感激してあなたのお店のファンになります。感激が大きければ大きいほど積極的に宣伝もしてくれます。

物質的な美味しさの探求もさることながら、情報的な美味しさも忘れず両方を兼ねそろえた真の美味しいあなただけしかできない名物メニューをぜひ作ってください。

まとめ

今回のコラムでは、飲食店の成功には欠かせない「集客力が絶大に高まる売れる名物メニューの作り方」を紹介してきました。

繁盛店には売れる名物メニューが存在します。そこで繁盛店になるには名物メニューを作ることが成功の近道になります。

名物メニューを作るメリットは3つでした。

①お客さんにお店を知ってもらいやすくなる

②お店を知ってもらうことで次回来店につながりやすくなる

③口コミが発生して集客力が高まる

この3つのメリットを得るために名物メニューを作るわけですが、名物メニューを作るには、名物メニューが持つ特徴を抑える必要があります。その特徴は5つ

1.お客様のニーズを満たしてくれる

2.差別化されている

3.適正価格

4.わかりやすい

5.美味しい

このような5つの特徴をもっています。

それぞれの特徴をメニューに持たせることで、ただの名物メニューではなく「売れる名物メニュー」が出来あがっていきます。

それぞれの詳細の項目は何度でも見て、ぜひ、あなただけの「集客力が絶大に高まる売れる名物メニュー」を作ってください。

ご参考になれば幸いです。